それは、上手くならない理由。上達しない理由、原因が解った事です。
今まで過去何箇所かの全国の道場、稽古場を回ってきて、絶対ここの違いが、其れを左右していると言う事が明らかになりました。
殆どの街中の一般道場では、基本打ちを遣らないで、直ぐ地稽古に入ります。
警察関係機動隊は基本打ちに時間を割きます。学生大学でも基本打ちには可也の時間を割いています。だから進歩が早い。
勿論、稽古量の差と言う風に捉えがちですが、あながち其ればかりではありません。
それに比べたら一般道場では、それほどの時間は割いていない。
又、仮に基本打ちを取り入れている道場にしても、その基本うちが固まるまでやり抜いていない。
基本打ちと言うのは、剣道における、打突動作の完成型なのです。
それにも拘らず、基本打ちの動作における、理合い理論が完全に理解されていない事が非常に多い。
先ず、このことが第一に挙げられます。皆さんがこれが正しい基本打ちだと思ってやっていることが、意外と正しくない場合があります。
第二は、基本が固まるまで体を掛けていないと言うことです。
基本動作が固まらないのに、地稽古だけを遣る。だから何時までたっても進歩が遅い。理論と違う遣り方で遣っているからです。
今、養心館の女性剣士5段に遣らせている事、基本の面打ちです。
5段に成った彼女に、遣らせている事は只一つ、上体脱力の足を使った面打ちだけ。
それも打ち気は完全に消すか、押さえる方法での面打ちです。
=剣先を出切る限り打つ瞬間まで上げない。
剣先が上がると言うことは、力が入った証拠です。脱力が出来ていない。
基本の基本に返り、基本を完全に身につけさせる、その為の面打ちです。
今、本人もヤル気です。今まで直せと言っても直さなかった、いこじなところも、消えて、一生懸命面打ちだけを遣っています。遣らせています。
自分で直そうと言う意志が出てくれば、何方でも治せます。 直るということは、=上達すると言う事ですから。
上達するためには、正しい、理合いに則った基本打ちを身につける。その打ち方で何時でも打てるようにする。
只、それだけの事です。
地稽古だけでは何故いけないか、人間お粗末なもので、誰でも如何しても打たれることは好きでは有りません。
地稽古は打つ打たれるの勉強です。如何してもそこには打たれたくない心理が走りますから、基本通りには動き難い状況を作り出してしまう。
それが自分の上達を妨げているのです。
サ~と動いて、ストンと打てる面打ちが出来るようになるまで、数を掛ければ誰でも上手く成れるのです。
別に無理に激しい稽古をする必要もありません。
自分なりのペースで、正しい動きを確認しながら出来るようになるまで数を掛ければ良いのです。
熊自身が其れで遠回りをしてきたから、皆さんに早くそれに気付いて頂きたい。それが早く上達出切る最大ポイントだからです。