熊は山に帰された。
だが、山といってもバンクーバーのとある山ではなくロッキー山脈である。
熊は別に気にはしない。どこでも寝れる自信はある。どこでも生き残れる自信がある。
熊の神経はかなりというか桁外れに図太い。人懐っこいが野生に近い存在である。
住み慣れたバンクーバーから追い出されても、なんとも思わない。
というわけで、熊はロッキーをふらつくことにした。
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Rocky Mountains
ロッキー山脈は3000m級の山々が連なり、北はユーコン準州、南はアメリカ南部国境付近と北アメリカを縦断する大山脈である。
晴れた日の飛行機から望むロッキーの山々はなんとも雄大で、それを見た観光客は思わず息をのむ。
ロッキーの自然の貫禄さは日本では絶対に味わうことが出来ない。
もし、熊がここで居座るとなると完全野生化する可能性は大である。
ロッキーの山々は常にその表情を変える。ハイウェイを進みながらロッキーを見ると、同じ山々なのに全く違う姿を見せる。
運転してても全く飽きさせない。素晴らしい。
ロッキーの切り立った岩山。
Lake Louise, Peyto Lake, etc.
ロッキー山脈の周りには美しい湖がいくつも存在する。
ロッキーに湖の特徴はなんと言っても宝石のようなエメラルド色の湖である。
この神秘的な美しさに水面に影を映すロッキーの山々。この素晴らしさはなんともいえない。
レイクルイスとペイトー湖はロッキーを代表する有名な湖。このほかにも素晴らしい湖が存在する。
ロッキーの近くを流れる川は急流である。山からの雪解け水で触るとかなり冷たい。
Columbia Icefields
コロンビア大氷原はカナダが誇る最大の氷塊である。
この氷河はここから長い年月をかけ太平洋、大西洋、北極海に流れ出している。
ハイウェイからこの巨大な氷塊を目にする。雪上車に乗れば氷河の上に立つことが出来る。
ここから湧き出る水はとても冷たく、飲むことも出来、とてもうまい。水は1万年以上も前に凍りついた水だとか。
大氷原の一部に過ぎないが、その巨大さゆえ、感動は深い。
Banff
カナディアンロッキー観光の中心、バンフは町の周りは山々で囲まれている。
バンフの中心通りでショッピングを楽しみながら、山を見上げる。
贅沢なショッピングである。
カナディアンロッキーは野生動物の宝庫でもある。
運がよければ、珍しい動物にもめぐり合うことが出来る。
Badland
ロッキー山脈を過ぎると大平原地帯が広がる。地平線まで麦畑、農場が続く。
しかし、カルガリーから北東へ約150kmほど進むと、突然荒々しい景色へと変わる。バッドランドと呼ばれる。
Drumheller
バッドランドの中心地ドラムヘラーは土地の起伏が激しい。
ここは化石の発掘場所で有名。今までに大量の恐竜の骨が発見されていて、現在も大量の骨が見つかっている。
ここで見つかった化石は近くの博物館に展示されている。
これは、恐竜のウンチの化石。なんとも大きい。
The Hoodoos
さすがカナダというべきか。フードゥーと呼ばれる奇妙な形をした岩が存在する。
フードゥーとはネイティブインディアンの言葉で「怪人」。
その奇妙さゆえ、ネイティブインディアンが怪人と名づけたほど恐ろしく奇観である。
この岩は長い年月、雨と風にさらされ岩が削り取られたいわば自然の芸術作品である。
なかなかいいところだな、カナディアンロッキーは。
熊がロッキーに居座り始めた。
ここはとある会議室。なにやら深刻な様子。
このまま熊がカナディアンロッキーに居座れば、完全野生化し手がつけられなくなる。
そうだ、そうだ。
よって、完全野生化を避けるべく、熊をエドモントンの街中に放つことを提案する。
さすれば、野生化をある程度防ぐことが出来よう。
しかし、街中に放つのは少々危険ではなかろうか。凶暴化するかもしれん。
熊はジャズが好きだと聞く。しばらく聞かせとけば、おとなしくなるだろう。
そんな簡単にいくのだろうか。
心配ない。熊は単細胞だからな。
それは名案である。
そうと決まれば、一刻も早く熊を捕獲しエドモントンへ運送する。
了解。
熊、ひどい言われようである。野生に凶暴化、それに単細胞扱い。
それはさておき、熊はエドモントンへ運送中。
それでも熊はトラックの中でいびきをかきながら寝ている。
さすが、図太い神経の持ち主。
熊よ、この先どうなるか、ちょっとは己の身を案じたらどうか。
つづく