4日朝、審査の為にトロントに出かける為に。朝一番で肉の仕込みを通常10時まで掛かる仕事を、超特急で6.30から~8.30まで2時間で250lbの肉の筋引き、当日日本食スパーに納め無ければ成らない、焼肉カットの仕込を済ませて会社を出た。
フライトは10.00AM。チェックインを済ませて、機上の人となり、仮眠。
夕方5.30にトロントに着陸。3時間半のフライトだが、時差が3時間在る為にこの時間になる。
出迎えに来ているはずのスティーブが来ていない。30分待っても現れないので、自分でタクシーに乗り予約のホテルへ。
チェックインをすませて、剣道仲間の経営する日本食レストランへ。
オナーの木村七段が不在という事で、とりあえず、ワインと刺身を注文。
その内に木村氏が戻り、歓談しながら食事、其処に鎌田八段が仕事の客を連れて食事に来た。鎌田八段と軽く挨拶を交わし、日曜の朝稽古の約束をする。
其処に、スティーブが顔を出した。彼は平謝りに謝罪した。彼は、カナダエアーラインの出口で待っていたのだ、通常、熊はこの航空機会社を使う。
だが今回はウェストジェットを使った。それが間違いの元になった。
彼は熊が送った予定表を確り読んでいなかったのだ。おまけに到着時間差がたった5分で紛らわしい事も重なった。
スティーブが帰り、木村七段とは、カナダ剣道連盟の在り方について良い話が出来た。
何処まで改良できるかは、今後を見守るしかないが、良いほうに向けて改善策の協力は惜しまない積りだ。
9.00にホテルに戻り、風呂に入り、テレビを見ながら12.00になったので、寝ようと思うが、寝付けない。何故なら、バンクバーではまだ9.00である。笑
仕方なく、テレビ深夜放送の映画を観て眠くなるまでおきていた。
3.00AMになり、漸く眠気を感じたので、7.00時目覚ましをかけて寝た。
朝食を済ませて、スティーブがホテルに迎えに来たのは、朝8.10分、会場に出かけて、講習会は朝9.00から、着替えて会場で待つ。
今日の講習会会場は、鎌田八段のエトビコ道場、空港から5分の距離。
交通と宿の利便性と、会場経費が安く借りれたのだと言う。
今まで使用していた、日系会館は値上げが大きく、借り入れるには少々問題が出てきたようだ。
だが、不便な所も在る。参加者は50数人に絞ったとか、会場に入りきらないからだ。審査を受験するのは60数名。
熊は、4段、5段、6段受験者の講師担当を指名された。
それには、ちゃんと計算された本部での策略が在ったのだ。笑
一つは、日頃、習えない先生の指導を受けさせる。という配慮。
もう一つは、白人さんを教える時、念頭に置いておかなければならないことが在る。
それは実力差を見せ付けることだ。それで彼等はやっと納得して素直に話を聞く。プライドと、自信の強さは、日本人の遥か上を行く、想像の域ではない。
剣道で、実力を見せ付けるのは簡単だ、打たせずに叩けば良い。
打たれたら彼等は、実力を認めざるを得ない。
だが居合いの場合、打つわけには行かない。そこで、自分と同じ事をやらせる。だが、それとて、自分の形が正しいか間違っているか、それは彼等自身にも中々分からないのだ。だから厄介だ。
そこで熊が編み出した方法。
横一文字の抜き付けで、正しい刀の持ち方を一応説明して、自分で正しく出来ているかどうか簡単に確認させる方法である。
正しい持ち方であれば刀を自在にコントロールできるが、そうでない場合は、刀の操作が難しくなる。
そこで、刀を抜いた状態で、(肩と肘の間)二の腕から鞘引きと共に抜け付けだけを連動で50回、1.2.3.4.5.と数を数えるように連動で振る。
その時、刃筋を通して、刃音が出すように指示し振らせるが、正しい持ち方でなければ、刃音は出ない。笑
それを、熊と同じ速さで、抜きながら着いて来いと指示をして生徒と一緒に抜く。
殆どの生徒が10本目までに遅れだし、20本目にはギブアップする。
熊は50本軽くやって見せる。そこで何故皆が着いてこれなかったか、刀の持ち方を説明すると、彼等は、一応に素直に耳を傾けるのだ。
先ず知らない事に、目覚めた時の彼等は、一応に貪欲になり学習しようとする。
目の前に、審査が在るからだ。皆合格したいのは、世の東西を問わず同じだからだ。苦笑
そして切り下ろしの時、振りかぶる刀の力を右手から左手にバトンタッチさせる方法を説明しながら、又50本振らせる。この頃には皆殆ど疲れて、疲労を顔に出すように成る。
其処から血振りも刃音を出すように袈裟に切り下ろし、50本連続。笑
その後、納刀は左手で納める事を説明をして、早く納めさせる稽古を連続50本。自分達も一緒にやらされるので、ここまでやると、講習生は一同に皆、こいつは化け物かと言うような顔つきになる。爆笑。
此処まで来れば講習は楽だ。皆言う事を聞く。笑
一応、12本、審査員が、観る要点を説明しながらそのポイントを確り抑えさせて、抜かせる。4時間の練成、講習が終わる頃には、可也見違える居合いを抜くようになった。
審査では、勿論、できの悪いのは落とす。いくら講習の後とはいえ、長年身についた悪弊はそう簡単には治らない。だが審査が進むに連れて、おかしな現象に気付いた。
落第マークが着くのは、殆どがモントリオールの受験者達なのだ。
聞くと、確りした高段の指導者が居ない。おまけに2つのグループがあり、中が良くない。だから、交流が無く、お互いの研鑽が出来ていないのだ。
そこで、審査の後、モントリオールの受信者を一同に集めて、話をした。
お互いが、切磋琢磨できる環境を作る事、指導者をトロントから呼んで年に4回は講習会を開く事。
糞プライドが邪魔をして、互いの壁が壊せないで、講習会に出てこない人間は、昇段させない事を強く言い渡した。
そうしたら、皆で話し合い、お金を貯めて、熊先生の飛行機賃を出すから先生が来てくれと言い出した。
モントリオール出身の生徒が二人、熊の道場で稽古している事も、彼等に近親間を持たせたのかもしれない。
後で良く話を聞くと、トロントの先生方では、皆、言う事を聞かないのだとか。笑 昔から、ケックワ=ケベック人は頑固頑迷。笑
言葉はフランス語を話すが、人間性は全くフランス人とは異人種。
とは良く聞く。笑
熊が、今日、実力差????。。(そんなものじゃないが)爆笑。を見せ付けたことが、彼等に取り薬に成ったようだ。
明日の飛行機でモントリオールに帰るが、飛行機時間まで、朝1時間稽古を付けて欲しいとのリクエストまで出た。笑
丁度、翌日は、鎌田八段のエトビコ道場で居合いと、剣道の稽古が在る。勿論、承諾をして、審査を終えた。
審査後の食事会。私の横に座ったのは今回6段を合格した。女性。
この方は、博士号を持つ方だとか、去年合格したサンドラさんは女性弁護士。
矢張り出来る人は、何でも探究心がお旺盛で、あきらめない性格なのだと感じた。そして、頭が良い事も関係しているかもしれない。
これで、二人の女性6段がカナダに誕生した。マアみんなの合格祝いも兼ねていたので、盛り上がっていましたが、日本人のように飲んで乱れる事が絶対にありません。
その辺は、白人さんが自制心が在る。感心します。
夜、九時少し前にホテルに戻りましたが、長い夜を、テレビを見て過ごしました。