Canada Youshinkan Kendo Dojo

秋、世界大会展望

八月に入り、一雨ごとに涼しくなり、稽古がしやすくなった。日本と違い、蒸し暑くなく、気温も低いので、真夏でも、稽古は辛くはないのが助かる。

今月の末に、ブラジルで世界大会がある。いまやカナダチームは以前ほどの勢いはない。サンタクララ、アメリカで行われた世界大会のときが、一番強いチームだったであろう。

先鋒、次鋒と引き分けて中堅戦で日本から一勝を上げた。館内がざわめきたった。
日本は副将戦で何とか対に持ち込んだが、大将戦ではカナダの胴に旗が1本揚がる接線を演じた。あの胴はとられても文句の言いようが無い胴だった。

さて、それから、前回の世界大会、ご存知の如く日本は始めて優勝を逃した。

全剣連会長は、其の時、選手達を不甲斐ないと切り捨てた、よほど勝負に拘られる方だと見受けたが、今月の剣窓でも、屈辱と書かれていたから、其の思いは相当に強いのであろう。

過去三年間、骨太剣士養成と銘打って日本選手の強化が行われてきたが、さてさて、今年は、どんな試合展開が見られるやら・・・・

本物の、骨太剣道教育が選手達全員に行き渡ったかどうか、其の点にだけ興味がある。勝ち負けではない、本物の剣道を見せる事が出来るかどうか、当てっこに走れば、必ず又前回の鉄を踏む事になるだろう。

アメリカチームも今回は前回より力が落ちて居るであろうと推測している。何故か主力選手が3つ年を食ったからだ。年齢的な衰えは何ともしがたい。

問題はやはり韓国戦にあると思う。此処で踏ん張れるかどうか、韓国選手は腕力があり、技はべらぼうに早い。だが弱点は足だ、足の裁きの良い選手、効く選手が少ない。

足捌きには問題がある、バタバタ、音をさる足使いの選手が殆どだ。スムーズな足裁きの選手が居ない。近間での打ち合いを得意とするからだろう。

だから日本選手が勝ちを見出せるのは如何に足が動くかで勝敗が分かれる気がする。
近い間合いで、ごちゃごちゃ遣れば、遣られる。遠い間から思い切りの良い技が出れば勝てるだろう。

以前、熊が審判させて頂いた、日本での優勝戦、中堅が引き面を打たれた。近間の混戦である。

副将宮崎兄選手が、遠間から飛び込んで払い小手で勝ちを得た。大将、石田兄も遠間から思い切りの良い面で勝ちを得た。

試合後、韓国側は其れにあわせた出小手だと言い張ったが、あれは絶対に面であった。あの勢いのある捨て身の面にあわせた小手は流れていたのだ。

あの面は当時の石田選手だから打てた。過去三度の、世界大会の審判の経験から見た、予測。足が利くかどうか、近間では必ず遣られる。其れを肝に銘じることだ。

其れと此れが一番大事な点だが、どっしり、腹の括れた試合が出来るかどうかに懸かる。バタバタ慌てて、当てっこに走ると、必ず拾らわれてしまうだろう。

ましてや、三箇所除け等出るようであれば、必ず負ける。