Canada Youshinkan Kendo Dojo

攻め二通り

攻めには大別して、2つの方法があると考えています。

1は相手より勝る気力でガンガンと攻めていく方法。つまり全てを押しつぶしていくブルトーザー的攻め方。物凄く強く感じる攻め方です。

来るぞ来るぞと分かっていて、見えていても如何にも成らないで打たれてしまう。完膚なきまでに叩き伏せられる。実力の差を思い知らされる攻めです。

2つ目は、如何に相手に気付かせないで自分の打ち間を作るか。
つまり非常に技巧的で上手い攻め方だと言えます。

知らないうちに間合いを詰められてしまい、気が付いたら打たれている。
あるいはガンガン攻めて出たはずなのに、打たれてしまった。
厄介な代物です。俗に、間を盗むとも言われる遣り方です。

ですから、絶対的に実力の有る人が下の人に負けることも有る。

其れが偶然か、必然かの大きな違いは有りますが・・・・

昔からの教えに三殺法と言う攻めの定石の教えがあります。
此れは相手の、気、剣、業(体)を征する方法を説いたものです。

要するに、相手に気、剣、体の一致をさせなければ良い訳です。
気剣体が一致しなければ、完全な打突には成りませんから、此方が有利に運べる。と言うことですが、此れは全て、気位で相手に勝っていなければできません。つまり限りなく1に近い方法です。

相手に攻め上げられている状態では、三殺法も何も有った物ではない。つまり攻めの本体は気攻めが重要課題に成るわけです。

ですが、間を盗む遣り方は、相手の気位より弱くても出来ます。
大事なのは己を捨てていれば出切る。「窮鼠返って猫を咬む」との諺の如く、弱い相手が強い相手を倒すことも間々あることです。
弱い人が、自分を捨てて、相手と相打ち覚悟なら、出切る方法です。

この場合、逆に、自分の打ち気を殺していたほうが効果が有るのではないでしょうか。冷静に自分を捨てて、相手を見切る。

此方は死ねる覚悟が出来ているので、自ら間合いに入って行けるし、そこで相手が出てきたとしてもハット驚くことも無い。

覚悟さえ出来ていれば、居付かないで、相手の動きに対処出来る筈です。

相手は恐怖を感じないから逆にウッカリ出てしまう。そこの隙を突かれる。

この二つの方法が大勢を占めるのだと考えています。