熊が今まで審査を受けてきて、其のつど武者修行で全国を回って、各地で、当時の審査員をされている先生方から受けたアドバイスや注意等。
意外と自分で知っている積りが出来ていない事が多い。それらが原因で審査が不利になるのであれば改めたほうが良いと思うのでここに書いてみます。
着装、稽古着は、色褪せの無い、袴の襞が確りした、色落ちがしない物を着用する。
背中は脹らみを作らないで、体にフィットした物を着る。
(袴立ちから手を入れて、背中の皺を必ず伸ばし背中を平らにしてておくこと)
袴は前下りに履く。(袴を着用してから、垂を〆たら、両足つま先で、袴の前を踏んで伸ばしておく、それで前下りになります)
袴の長さはくるぶしの線を境に、前下り後ろ上がりになる様に履くこと。
垂は体の真正面に前垂が来るように、確りと〆る。
胴は左右片がりの無いように、紐が演武中に解けないように、腰紐は蝶結びで、後ろにだらりと、あまらせない様に確り結び、着装する。
面紐は縛った長さが縛り目から40CM以内、で左右同じ長さに切りそろえておき、紐がよじれたまま縛ったり、鉢巻が二重にならない様に気をつけて縛る。
手拭は頭の上に完全に折り込んで置く。面の外、後頭部からヒラヒラ出ているのは良くない。
面垂は自然に肩に下がるのが望ましい。面布団両端が跳ね上がるのは良くない。
審査場に出入りのとき、前の立会いの止めが掛かった瞬間。自分は正面に礼(30度)をして、前進して、前者と肩を並べて互いの礼(15度)をする。
其の後、審査場に進み出るときは気迫の篭った態度で、必ず摺り足で、足の指は上げない事。
三歩目で抜刀しながら蹲踞に入り構えるが、其の時竹刀を殊更刀を抜くような仕草や、頭の上から回して構えることの無いように、腰の位置からそのまま構えに移るようにする事。
竹刀の柄革は古く伸びた状態の物は使わないこと。
構えたとき右手が、鍔から離れすぎるのは良くない。せいぜい離れて居たとしても指1~2本の範囲にする事。
柄頭が左手の握り後ろに出て見えるのは良くない。
立会人の初めの号令で立つが、其のとき、少し前に出る気持ちで構える。右に開いて立つのは、相手の気迫に負けて其れを避けたと見られる。後ろにさがって立つのは其れでもう気迫で負けを認めたようなもの。だから必ず、ジリジリと前に出て構えること。
気合を掛けるのは、昔から、ヤ~、トウ~、エイ。との教えがあり、自分の気持ちを奮い立たせて、腹に力を込めるにはエ~イと声を腹の底から掛けたほうが力が溜まる。相手を馬鹿にしたような、掛け声、若しくは、ホレホレ、とかオリャ~、ホリャホリャ~、等、変な抑揚のある掛け声は好ましくない。
相手より、先に声を出すか、後から出すか、は自分の気迫の意味合い、先に行くか、受けて立つか、気分の持ち方で異なる。
立ち会って、直ぐには打たない。立会い15秒位は攻め合いの中から自分から攻め崩すか、相手を引き出すか、相手の出方を慎重に緊張感を持ち視察する。早く打つことは焦っていると見なされる。
立会いの初太刀は審査の最重要ポイント。完全な一本に成るように打ち切ること。、打つ場所には拘らない。面、小手、胴、突き、完全な1本なら、評価される。
飛び込み胴等、姿勢の崩れる技は出さない。被き技等は相手をだまして打ったと見られて、あまり印象が良くない。
勿論、被き技だろうが、飛び込み胴だろうが、打たれればダメ。
相手の打ちに姿勢を崩されて除けてでも評価が悪くなる。あくまで、体裁き、竹刀裁きで対応すること。
審査の場合、思い切りの良い勢いのある捨てきった技で1本になる技が出せるかどうかが重要な鍵になる。だから足は非常に大事。
立会いが終わっても気を抜くことなく退場すること。
まだまだ細かい点を書き出せは限がありませんが、大体こんな所は十分に注意して改善されることをお勧めいたします。