Canada Youshinkan Kendo Dojo

「骨太剣道」

一昨日、手元に剣道日本3月号が届いた。
日本が世界大会で負けたことについて書かれていた記事が殆ど。

そこで見えてきた剣道のあり方、熊が以前から警鐘を鳴らしていた、試合の駆け引き中心の剣道から、骨太の剣道を学ばなければ成らない事に皆が気づき始めたようだ。

奨励策で始まった剣道の試合が、いかにも剣道本流に成ってしまった感の有る、現代の剣道。やはり本道に戻すべき時が来たようだ。強い確り地の有る稽古、これを学ばなければ剣道修行の意味が無い。

剣道は打って反省、打たれて反省。負けて反省が出きる剣道界で良かったと思う。
あの記事の中で、アメリカのクリスヤングの記事も紹介されていた。

記事を読まれた人なら、アメリカ人でもそれほどの努力をしていたのかと、驚かれたことであろう。又、彼の非常に謙虚な物の考え方にも感動を覚えられた方も少なくないはづだ。

勿論、一度の負け位で、剣道宗主国の権威が揺るぐものではない。関係各位に置かれても、右往左往するのではなく、もう一度確りと足元を見据えて、取り組んでいただきたい。

さて昨夜、となりの道場に出かけて、驚いた、なんと参加者が4人、我が道場から2名が参加したので合計6人で稽古をした。一人二回づつやったが、時間を持て余してしまった。おまけにその4人のうち一人は1時間くらい遅れてきた。

ここの道場で、もう稽古相手になる人材は居なくなっている。悲しい事だ。
ここの身体を壊した主席は、以前から、週刊誌を賑わせた元範士と入魂で、彼は3度カナダで指導をしてくれた、非常に熱心に、非常に力強い指導であった。

熊自身も今もって彼には感謝をしている。だが、ここの道場、次席で後を継いで遣ってくれると思っていたもう一人の指導者が、もう剣道をやる気がないのだと言う。

どちらかと言えば体力を使うタイプの稽古だったので、年とともに体が利かなくなり、あちこち故障が出てきたのも原因しているらしいのだが、

日本の子供や学生剣道界の事、国会議員密室審査などの諸問題に触れ、剣道はもう人に胸を張って指導できる価値のない物と彼は捉えていた。残念な事だ。

だが、この道場はカナダでは伝統ある名門道場だ、火を消すには惜しい道場だ。
主席の娘が居る。だが彼女ではまだまだ、この道場を引っ張っていくのは無理だろう。

何とか彼に思いとどまってもらい、名門復活に努力をして欲しいと願わざるを得なかった。