足と手、剣道で、足に意識がいくようになれば一人前だと思う。
何故か、剣道の攻防は普通視覚神経で脳に伝達された、脳信号が、反射的に命令系統に指示して、その動作の対処をする事になる。ということは命令伝達が行われるのは、脳に近いところから伝達が始まるわけで、足より手の方え先に伝達がとどく。
だからだと思うが、初心者の人は殆どが手で打つ。足を覚えるほうが苦手のはずだ。
上手い剣道家程、足で間を図り、足で相手を裁き、最後の最後に手を動かす。
昔の道歌に「手で打つ心は初心なり、足で打つこそ上手と知れ」
とか、 「手で打つな、足で打て、足で打つな、腰で打て」
等と言うのが有るが全てそれだと思う。
で実際に、剣道教本の中に紹介されている足裁きは、幼少年剣道指導要綱の中には、
歩み足、送り足、継ぎ足、開き足、だけだが、熊はそれに踏み込み足(飛び込み足)と
蹴り出し足を追加したい。
ではどんな時のどんな風に実際にこの足が使われているか、勿論、人により千差万別だとは思うが、一般的に拾い上げれば、こんな風になりはしないか。
1歩み足=胴を打った後相手からすり抜ける時。
2送り足=遠間からの面打ち、その後の打ち抜け、
3継ぎ足=中間からの面打ち、間が少し遠い時、間を詰めて直ちに打つとき。
4開き足=刷り上げや、応じ技の時
5飛込み足=打ち込む瞬間。通常の中段では右足、左上段では左足。
6蹴り出し足=打ち込む瞬間、出鼻を打つ瞬間。中段では左足、左上段では右足。
俗に言う一拍子の打ちは、5.6が併用されているし、前に出て打つ動作には必ず5.6が有る。
こうしてみてみると、使われる状況が有る程度限られてくるという事が解る。
剣道では、気剣体の一致という事が大切な要素で、打突の瞬間はそれが無くては、1本にならない。つまり、5.6と打つという意志と竹刀が有る条件の下に部位を打つ。
これが揃って初めて打突が有効になる。
あれ、こうして考えると1~4番の足裁きは、単に5.6を有効に作り上げる為の補助でしかないという事煮なりはしないか。何~~~だ。そういう事だったんだ。
一番大事なのは、5.6それが出来れば、有る程度剣道を遣っていれば手は自然に動く。
初心者だって、手は動くわけだから、手で打つ動作は簡単な事だ。
だから逆に、その5.6を作動させるまで、手は動かさない事だ。それが剣先で中心をとるということだし、当然攻めが利いて来る筈だし、一番防御が簡単になるということだし、起こりを見せないことになるし、不動心につながるという事になるのでは無いのだろうか。
足、たかが足、されど足、剣道の秘訣は足で有る。それも5.6を瞬時出せる状況をいかに上手く作り出せるか、その補助の働きを如何上手く作り出していくか、それが上手く出来上がれば、打突は100発100中なんだけどな~~、これが難しいんだね。