Canada Youshinkan Kendo Dojo

「久々に書き込み。」 

昨年、2007年8月末から、一月、山篭りをして、剣道と人生を考え直してみた。

俗世間を離れ、インターネットも、テレビも無い生活は、それはそれで、非常に楽しく、充実した物であった。新工場の設営が完全に出来て、イザ本番、と勇んでいたが、市当局が、中々営業許可を出さない。そこで、一月時間のぽっかり空いてしまい。

それで、仙人修行(笑)を試みてみた。剣道の稽古相手が居ないので、毎日刀を振った。週一度は、カルガリー大学に出かけて稽古をしたが、稽古と言う段階には成らなかった。

息子からの、緊急連絡で、下界に下りる羽目に成ったのだが、俗世間に戻ると、人間生活にはどれだけの無駄があり、その無駄が、生活から切っても切れない、 環境に追い込まれている事が、感じられ、愕然とした。僅か一月であったが非常に自分を見つめ直す良い機会が得られたことに感謝した。

剣道では、迷いが生じたら「初心に帰れ」という言葉を良く聞く、別に迷っていたわけではないが、物事が、上手く進まなくなったときは、初心に帰ることにしている。

6年前に、創業をして、五年半で新工場設立までにこぎ付けた。お客様の後押しに押され、従来の店では、動きが取れなくなるくらいに、繁盛させていただき。
工場設立に踏み切ったのだが、そこで問題が出てきた。人手が足らない。

新たに数人の新人を雇用して、そのトレーニングが自分に課せられた。おまけに、日本産の和牛カナダ初輸入。オーストリア産和牛の直輸入。販売。日本側輸出 業者の汚い駆け引き、他社との価格競争で、翻弄されがちになりながら、一歩覚めた目で、見守るように息子に指示しながら、状況をみまもって来た。毎日気が 抜けない日々が続く。

そんな状況下で、日本産和牛が、値崩れを起こし、日本で買うより輸送費が懸かり、輸入税が懸かる、アメリカ、カナダのほうが安い。そんなばかげた状況に辟 易しながら、万一の取引中止、品切れに対処すべく、オーストラリア産の輸入も始めなければ成らない、切羽詰った状況に、息子に捨て身で望めと、励ましなが ら、いつでも手を引ける環境も創っておかなければ成らない。毎日が真剣勝負の連続だった。

問題は他にも出てきた、創業当時店の営業形態で揚げ物、弁当など販売もできる、開業当時の元に戻そうとしたら、ランドロードからSTOPが掛かった。

隣近所のレストランの売り上げが落ちているのが原因だったが、それはそちらの企業努力が足らないからと、粘りに粘り、しぶとく交渉を続けやっと、この1月 から、営業できる環境にこぎつけた。初心に帰り営業できる体制が整ったわけだが、初心に帰る事すら難しい時代に成ったことを痛感させられた。

長い間、書き込みを忘れて、仕事に没頭してきた。それはまだこれからも続く、だが、やっと一息つける、状況に感謝しながら、今日の書き込みをしている。

仕事も、人生も剣道と同じだ。気を抜けば打たれる。冷静な判断をしながら、積極的に前に出て攻めるしかないのだ。決断をした時は、捨て身。危険を感じたら、いつでも間合いを切らねばならない。刻々変わる状況を正確に判断して行かなければならない。

集中力の持続が命取りの鍵になる。そんな気がする毎日だ。