その進化の過程は100人十色。色んな形の進化があるはずだ。
他人様の進化の過程がどのようなものであるか、解らないので自分の過去を振り返ってみると、はっきりとした形が見えてくる。
それは何かと言えば、修行の過程で、意識的に矯正しよう、または意識的に上達させようと試みている時、其処に大きな進化を見出すことが出来た。
例えば、最初に拘ったのは剣先を利かせると言う事だった。
剣道を5~6年ぶりに再開して、最初に取り組んだ課題。剣先を利かせる。
そこで知りえた、剣先の働きは、左手が鍵に成ると言う事。
臍下丹田の力が、左腕の裏筋を通り、左手小指から、竹刀を通して剣先に現れる勢い。
当然左手の収まりも意識しなければ成らない。臍下丹田に力がみなぎるようにするためには、腹式呼吸。長呼気丹田呼吸を意識しなければ成らない。
丹田に気をおろし、充実させる。其れを実行するためには、正しい構えの姿勢が求められる。
左足の張り、骨盤に背骨を真っ直ぐ乗せて、背中の壁を作り上げる。
一つの事を、改革、上達させようと図れば、ハブ式に色々の方向で放射線状に広がりを見せて、同時進行的に意識を働かせながら遣る必要が出てくる。
だが、それらは、決してばらばらに作用するものではなく、すべてが繋がりを持ち、相互関係を持ちながら、事を成し遂げていくのだ。
と言うことは、剣先が、良い感じに利く様になってきたときは、姿勢も良くなり、丹田にも気力がみなぎるようになってきている。
一つの、小さな進化が、大きな進化に化ける瞬間でもある。
熊は、以前から、部品改造論を唱えてきた。勿論、今もその信念には代わりは無い。
何故なら、その背景には、一つの小さな進化が、大きな進化に繋がる事を知っているからだ。
小さな進化が、大きな進化に躍進する。それが、理合いを知ると言う事に他ならないからである。