剣道の教えで、昔から良く聞く言葉に、懸待の一致があります。どんな常態かといえば、何時でも打てる準備が出来ていて、尚且つ相手を洞察している状態。
簡単に言えば「何時でも打てるぞ」な状態なのです。
今までお稽古頂いた中で、熊が攻めますと、大体80%の方が、「来た」と感じるのか打って出てこられます。
ですが、攻めは此方から、打つ準備を整えて、攻めを始動していますので、何時でも打つ準備が出来て居るところに、飛び出して来られますので、此方は、出鼻面、出小手、応じ胴、と「毎度あり~」な状態に成るわけです。
こんな状態を、を飛び出す=打ち焦り=我慢が足らない、などと表現されます。つまり、闇雲に懸かるだけの状態に陥って居る訳ですね。
中には 熊が攻めたら、後に下がり、間を切って、様子を伺う人が居ます。見た目は待ですが、後に下がることで、此方は前に出た分攻め勝った状態に成ります。
それでも、中には剣道を当てっこと捉えて居る方は、又下がります。そこで此方は又攻めて出ます。其のうち、その人は壁を背負う事になります。どうかすると、後ろに待って居る人の中に追い込まれてしまう。笑 言葉が悪いですが、無様ですよね。
貴方、戦う意志があるの?と聞きたい位になります。戦う意志がないのであれば稽古には成りません。無様に逃げ回るだけなら、始から前に立たなければ、逃げる必要はありませんからね。
そんな方のお稽古は、何とか当てよう何とか当てようと必死にもがくだけの見苦しい、単に当てるだけに執着した運動ですね。
お互い戦う意志をぶつけ合ってこそ切磋琢磨の、お稽古に成るわけです。
通常、攻め負けた事が理解できる方は何とか反撃して、出ようと試みますが、攻められた状態から攻め返すのは容易ではありません。
どこかに無理が生じますから、此れも「毎度あり~」の状態で仕留める事が容易になります。攻め返そうとする分、引き出し易くなりますからね。
此れも一種の焦りですね。攻め負けたと感じる焦りです。こんな方が約15%くらいですね。
それで、中にはまれに、熊が攻めますと「なにお~遣るか?」と相気で逆に攻め返して溜めて洞察してくる方が居ます。こんな方が本当に稽古の出来た、地のある強い方です。
「何時でも打てるぞ」状態ができています。此れが本当の「懸待の一致」が出来て居る方ですね。こんな方が5%くらいでしょうか。
こんな方とのお稽古は其れは楽しいお稽古に成ります。打っても打たれても非常に楽しい。何故なら其れは自分の本当に勉強になるからです。打たれるには打たれる理由が必ずあるわけですから、其れが簡単にわかるからです。
此処まで、読まれて、なるほどと言う事がわかる方なら、強くなる事の早道は開けていますよね。
では如何すればいいのか、攻められて慌てて飛び出さない。後に下がらない。相手が攻めて出てくれば、自分も攻めて出て行き、相手の動きをギリギリまで洞察をする。
此れがつかめれば、貴方も強い5%の仲間入りに成れる筈です。