Canada Youshinkan Kendo Dojo

SKI場の悲哀

バンクーバーから二時間くらい車で北に登ると、世界最大級のSKI場がある。2010年の冬季オリンピックにも指定された、ウィ一スラーだ。

其処のSKI場が今、混迷の呈をさらけ出している。と言うのは、サブプライムローンで始まった米国の不景気、アメリカ人の別荘が多いここでは、今シーズン、可也の減客を余儀なくされるらしい。

正直、熊のような貧乏人は不景気でも生活にはあまり変化をきたさないが、別荘をもつような金持ちは、マネーゲームで出す損失も馬鹿にならないだろう。

其の損した連中がわざわざカナダまで出かけてきてSKIをするかどうかだ。殆どのレストランが心配で右往左往していると聞いた。

特に高級レストランが、打撃をこうむる率が高いのだと聞いた。

おまけに、このSKI場の持ち主がアメリカのNYの投資会社の物で、今回の株暴落の恐慌被害を諸に受けたらしい、今期の営業が出切るか如何かさえ、危ぶまれる話が出てきた。若し、営業が出来ないとなると、街全体が廃墟と化す。

昔、日本で肉屋を遣っていた頃、暖冬でSKI場に雪が無い冬が二年続いた。沢山のホテルが破産寸前に追い込まれたことがあった。

売掛金の回収物凄いエネルギーと時間を割き、苦労した事を思い出す。五年かけて何とか元を取り戻したが、もうこりごりだ。今の経済は、実質を動かす経済ではなく、架空の数字だけでやり取りするビジネス。やはり可笑しいのは可笑しいのだ。

時代は変われど、物の本質は変わらない。踊らされる人は俗欲が在る人。踊らされない人は、本当の賢人。踊れない人は金の無い人。貧乏人の負け惜しみでなく、無い方が良い場合も在るのだ、正常な判断が下せなくとも、損もしないからだ。