早い物で、もはや八月。バンクーバーの風はすでに秋。爽やかに、晴れ渡る日々が続いている。今夏盛りの日本では昔、暑中稽古等と言い、暑さに負けない精神力と体力を養う為の稽古をした。
だが、昨今の地球温暖化で、気温が確実に高くなり、ヘタな稽古をすれば自殺行為に成りかねない。10年位前夏八月、富山で稽古をしたことが在る。その時気温は何と40度を少し超えていたように思う。
熊が子供の頃、夏休みの宿題で毎日の温度表をつけたことが有るが、その当時一番暑い日でも、31~2度、平均が28度くらいだったと記憶に在る。ということはその当時に比べれば10度近く気温が上がっている事になる。
これでは暑中稽古どころではない。自分の経験でも40度の中での稽古は、元立ちで45分でめまいがした。おまけにトイレに行っても小水が出ない、ちょろちょろと、洩れる感じで流れ出ていた。恐らく肉体的には物凄い負担が掛かっていた物と想像できる。
だが、此処、バンクーバーでは熊の子供の頃の気温、おまけに湿度が低い為に快適に稽古が出来る。1時間元で稽古をしても何と言うことは無い。昨夜の稽古も1時間居合い、その後二時間の剣道稽古。
マア、熊の場合は指導をしているので3時間連続で体をかけている訳ではないが、若い、連中は三時間の稽古にも集中力をじぞくさせて稽古をしているので、その快適さが分かろうと言うもの。
昔、佐藤博信範士が来れれたのも夏だったが、こんな環境で稽古が出え切ることを大変羨ましがっておられた事を思い出す。
こんな環境で稽古が出来る自分は本当に幸せものだと思う。精精この環境を十分に活かし、自分の稽古の研鑽に勤めたい。最近、自分の稽古の中で、攻めの本質が覗けた様な気がしている。一つの境地が開けたとでも言おうか。
稽古相手の黒熊を、完全に居付かせる事が、可也多くなってきた。これも快適な環境で稽古が出来る恩恵なのだと感謝している。