昇段審査。今年の七段審査、8%台の合格率に成ったと聞いた。熊が7段を頂いた時は確か10%台だった記憶に有る。そして、七段受験者が口々に言う。「厳しくなった」と
本当にそうなのだろうか、厳しくなったのだろうか。
確かに数字だけを見ていれば、2%狭き門に成った。だが、この合格率は、全剣連が決めた訳ではありますまい。審査委員をしている友人から聞いたが、そんな指令は審査前に全剣連から無かったと聞く。
と言う事は、受験者のレベルが下がったと言う事に成りはしないか、熊が七段を頂いたとき、その時、富山から3人の合格者が一度に出た。当時県剣連の理事長の板橋範士が、大変に喜ばれた。県剣連、始まって以来の快挙だと。
つまり審査は、良い人が受かる、と言う単純な事なのだと思う。10人受けて一人も通らない県だってある。その時その時の審査で、受験者が、審査委員の心を打つ立会いをしていないから、合格が得られないだけなのだと思う。
最近、生涯剣道と言う事で、剣道のリバイバル剣士が大勢出てきた。若い頃竹刀を握り、一次は剣道離れをしたが、大人になり、時間的余裕も出て来て、又、剣道を再開される大変に嬉しい事ではあるし、頼もしい事だと歓迎している。
そんな方々が大勢七段挑戦しておられるのだと思うが。ここで一つアドバイスをするとすれば、審査は試合ではないと言う事。その方の剣道のその時点での集大成を、観て頂いているのだという事です。つまり6段であれ7段であれ、見るところは同じなのです。
いや、極端な話5段も4段も一緒なんです。どれだけ剣道が出来ているか、それを審査している訳で、当てた本数を審査している訳ではありません。
姿勢正しく、大いなる気勢で、相手を攻めて、機会と見たら思い切り捨てきる打突が出きるか、出来ないか。その打突機会が正しいか、正しい機会であれば技が決まりますから、それを見ているわけです。
よしんば、お相手が良い機会に打たれて首を傾げて逃げたとしても、打ったほうは其れなりに評価されているのです。勿論業は正確に決まれば決まる程、文句はありません。
逆に打たれて、首を振り逃げて難を逃れたとしたら、その方が原点対象になります。
若し何度も何度も受験に失敗しているようであれば、先ず其処をお考え下さい。
熊自体は、8段審査以外、落ちた事がありません。大変幸運だったと感謝しています。ですが、努力はしていた積りですので、合格して当然だ位に思っていました。
これは決して、慢心ではありません。これだけ遣った、これで滑れば仕方が無い、と言うところまで遣っていました。まあ、さすがに八段とも成りますと、そう言う訳には行きませんでしたが、七段までは一般剣道家の何方でも到達できる位だと、熊は信じています。