Canada Youshinkan Kendo Dojo

「若い道場破り&武者修行」

8月に入りもはや20日も過ぎた。19日の日曜日、日本から、若武者が道場破り?が養心館を名指しで、稽古に訪れた。

彼は、国際武道大学に籍を置く20歳の学生で、自分の専攻科目の、スポーツ医療分野の見聞を広める目的で、モントリオール、マギール大学で稽古をして、カ ナダの強い道場を、聞き、探しながら、トロントのエトビコ道場で、世界ベスト8のカマタ、選手と剣を交え、そして、バンクバーでは何が何でも養心館と心に 決めて、来たらしい。

彼の今回の渡航は、日本のJTBが若い人向けに組んだ一人旅行プランを利用しての事で、バンクーバーのJTBで養心館に行きたいと、告げた。偶然其処には養心館のメンバーが在籍していたので、道場に連れてきた、という事らしい。

居り良く、日本に武者修行に出してあった、ユウノスケも帰国第一回目の稽古に参加していた。彼の名は、ヤナギダ君、目がパッチリ、麻黒で、天然パーマが掛かっている為に、東南アジアの人と間違える風貌の青年だったが、挨拶、対応はきちっとしていて、好感が持てた。

黒熊が掃除始めると。彼は自分から進んでモップを持ち、掃除に参加した。
館員のメンバーがもたもたと道具をつけていたので。稽古前に黒熊から生徒に檄が飛んだ。「お客様に掃除をさせるとは何事か、自分達の道場の掃除は自分達で遣るものだ」
これをみただけでもこの青年は確りした気持で稽古に取り組んでいる事が分かる。

稽古前に少し話したが、此処は羽賀忠利範士が館長を勤める道場と聞き、驚いていた。
基本打ち込みに入り、彼の打ち込みをつぶさに検証させていただいたが、日本で稽古してきているので、スピードは速いが、いかんせん、頭から出ている。

タダ姿勢は崩れる事無く、堅持しているので、良いと思った。稽古に入って彼は黒熊に一番に掛かって、翻弄されたようで有るが、先先と打ちかかり、気迫の在る稽古をしていた。

次に熊の所に来たので、熊も彼の出鼻を面を中心に打って見せた。彼は自分のスピードが熊より勝っている事に自信は在るのだがことごとく面を割られるので、不思議がっていた。

そこで参加人数が少なかったこともあり、黒熊と熊が稽古をした後、黒熊がアキラを捕まえて、面打ちの特訓。それもわざと彼に見せる位置で遣り始めた。
この特訓は一部始終を熊が横で見ていて、ダメだしをする。少しでも体の動きに無理が在るとそれを指摘して、徹底的に無理と無駄を無くす態勢で打ち込みを遣らせるのだ。

彼はそれを観ながら一生懸命に、腰から出る、体の移動を研究し始めていた。
何かを感じ取ったらしい。そこで稽古後、マダ何か質問をしたいようであったので、早く着替えて家に来るように誘った。

彼とJTBに働くメンバーが熊家に来る事に成ったので、帰路店により、最高級の神戸牛を持ち帰り、彼にステーキをご馳走してあげた。若いとは健康だね。 1kgのステーキをぺろりと平らげて行った。出した者は全て綺麗に食べてくれたので、好き嫌いも無く、もてなしたほうも、気持が良い。

剣道の話は、主に黒熊が指導していた。最後に黒熊が彼に言った。出来るだけ、範士の先生方とお稽古を頂き、それを良く観て、何が本物の剣道か、それを早く理解して、精進する事が大事ですよと。彼も至極納得していた。

現代では本当に珍しい青年だった。稽古中一度も三所避けをすることも無く試合駆け引きをするでもなく、タダひたすらに、先、先と面を打ってきた。熊も彼に 言った。将来カナダに来ないか。「仕事なら私がが保障してあげるから」と、それ位、好感が持てた青年であった。マダ日本の中にもこんな青年が居ることが嬉 しい、発見でもあった。