人は、無くて七癖、と言われる如く、剣道でも打ち方に癖がある。それが良い癖であれば良いのだが、往々にして、悪弊のほうが多い。
そこで、自分が強く成りたいと思えば当然、悪弊を矯正する必要が出てくる。それが修行だと言ってでも過言ではない。
無理なく無駄なく、相手が打とうとする瞬間を捉えて打つ一拍子の出鼻面。簡単なようで、中々出きるようで出来ない。
できないのは、悪弊が身に付いているからに他ならない。体全体の働かせ方、動かし方に無理と無駄があるからだ。
しかし、直そうとする意識があれば必ず直る。様はその意識の持ち方で決まるだけなのです。何処まで真剣に直そうとする意志が有るか如何か。
熊自体、7段拝受後、親父に指摘されて、踏み込み(飛び込み)足を直された。打ち込む時、膝が高く上がりすぎて、戻り足になる。
10年掛かりで直しましたが、遣れば出来るものです。お陰で稽古中、出端は何時でも打てる。
様は、意識を持ち続けることができるかどうか、直す意志が何処まで続けられるか、それだけの問題です。
只、言える事はその意識が無い人は絶対に強く成れません。それだけははっきり言えます。
悪弊を直すためには、独り稽古が一番手っ取り早い。打たれる心配が無く、自分の打つ形を作り上げる事だけに集中できるからです。
打つ、打たれる、打たれたくない、打ちたいと言う意識がどれ程自分の修行の邪魔をするか計り知れないからです。