10月2日から10日まで兄弟子がギリシャで毎年開いている剣道と居合道の講習会に助手として参加して来た。
着いた日は小雨模様だったが、昼からは抜けるような青さの晴天。
熊は晴れ男、この晴天が滞在中続いてくれた。
兄弟子の居合道範士は日本から来るので、熊自身はバンクーバーからモントリオールで乗り継いでアテネに着いた。
空港に迎えに出てくれたのは、元ギリシャ海軍の中将で自分の道場を持つ。
彼とは、日本で開かれている某居合道講習会で旧知の間柄。
兄弟子は其処の会長に先年就任した。過去には羽賀の親父も長く会長職を務めていた。
その関係で、熊も数度その講習会には参加して来た。
剣道と居合道両方実践する講習会なので非常に中身が濃い。
それと同じ方法でギリシャでも、ヨーロッパ各地に声をかけて中将が中心に成り毎年開催されている。
居合道と剣道を別々に講習会を開催しているのはヨーロッパ各国で有るらしい。
だが、剣道と居合道両方の講習会はギリシャだけだと聞いた。
兄弟子が三年前に目を患い今は幾分回復したが、剣道の稽古に支障をきたすので、剣道講習会に参加する様には以前から要請されていたが、なかなか機会が作れなかった。
昨年、ラーメン屋を廃業した事である程度時間が自由に成り、今年参加させて頂く事にした。
熊がギリシャに訪問すると決めたから、中将は剣道の稽古会を毎日開けるように準備してくれたおかげで、滞在中の七日間の内六日は毎晩指導と稽古をさせて頂いた。
参加者は、ギリシャ、ベルギー、イタリー、フランス、ロシア、南アフリカのザンビアからの参加もあり。盛況な講習会であった。
土曜日曜は、午前十時から午後の五時まで昼食をはさみ一日中。
さすがヨーロッパの人々の熱心さと体力は半端で無い。
その中で剣道と剣道形は熊が任されていたので、剣道形で型でなく生きた形を理合いと共に説明させて頂いた処、二日目の講習会では前日の形講習は非常に勉強に成ったので、小太刀三本も指導してほしいと、ベルギーの剣道七段の先生から頼まれた。
理合いの説明と共に形の動きを説明すると非常に解り易かった様です。
剣道も指導者が中心に成り集まってくれていたので、単なる叩き合いで無く、攻めから如何に脱力した状態で攻撃に繋げるか、徹底的にやらせて頂いた。
攻めて出る時にすでに打ち気が出る為に構えに力みが出る、それが起こりに繋がるので、それを指摘して、自覚出来るまでやらせて頂いので、最終的には皆さん可成りリラックスした状態で打てるまでになりました。
それと、驚いた事はこの講習に出ていた人々で剣道の稽古中三所避けを行った人は一人も居なかった事です。
如何に彼らの剣道に対する意識が高いか伺い知れましょう。
居合道の講習も、来年六段受験を控える、五段二人の特訓を命ぜられて、熊も一緒に抜きながら、弱点を指摘、見違えるほど素晴らしい居合を抜けるようになった。
その後、彼ら二人は、お互いに指摘された処を熱心にノートに書きこんで居ました。
それだけでも如何に熱心に受講しているか、その謙虚さにこちらの方が学ばせて頂いた気がする。
そんな事で充実した講習会と夜な夜な開かれる第二道場での会食の美味、それ以上の熱い質問攻めに美味しいワインも手伝い、楽しい楽しい七日間でした。
ヨーロッパの方々は全員英語が解り話せる。これは驚きでした。
聞く所によると、熊のブロークンイングリッシュの方が,第二国語の彼等の英語理解力とマッチして、逆に理解しやすかったのだとか。
熊の英語力は決して上手くありませんが、それだけに単純な会話で、ポイントの単語だけは確りと口にしていたので、理解が得やすかったと聞かされました。
変な処で瓢箪から駒が出たようです。