持田範士が10段が、基本を身に付けるのに50年掛かったと書いておられます。
その50年掛かった基本のマスターとは一体何なのか、ずーと疑問に思っていました。
それで自分の剣道を振り返り、50年かけてマスターしたものは何か、自分の剣道で照らし合わせてみた所、有る一つの結論が見えてきたような気がします。
勿論これはあくまで自分だけがそう感じているだけで、違うのかもしれませんが、多分外れてはいないのではと考えています。
範士は、基本は中学生の時に身につけたと思い、そのまましまい込んでしまっている。とも書かれています。
我々は普通、有る程度の基本動作をマスターしたら、地稽古や、試合稽古を積みます。それで修行の進歩を重ねていくわけですが、
基本打ちの中で基本動作とは一体何を教えているのでしょうか、例えば面打ち、で考えますと、一番難しいのが一拍子の打ちです。
構えた0の状態から、機会が来たら色も起こりも何も無くパッと100の力になる。
それが一拍子の打ち。どんな機会にでもピシッとパッと打てる。そんな打ち方をマスターするのに50年掛かったのだといわれているような気がしているのです。
自分でもやっと最近一拍子で打てるようになりました。
マダマダ完成ではありませんが、大体の機会には打てるようになってきました。特に相手の起こりに打てるようになり始めたのです。
その事と照らし合わせてみるとやはりこの一拍子の打ち方をマスターするのには50年くらいは掛かるのかなと思いました。
0から100になる一拍子の打ち、出来る様になると、中々に面白いものです。