Canada Youshinkan Kendo Dojo

京都大会の思い出、2008年

8段を頂いてから、毎年、京都に出かけている。毎年お願いする範士に掛かろうと、下座に並んだ、そうしたら、元、国士舘の師範、矢野博範士に、「あんたは、元に座りなさい。遠慮することは無い」と言われてしまい、目的が頓挫してしまった。笑

一昨年から、稽古開始45分過ぎには、八段同士の稽古が行われている。その時に、範士の先生に、お稽古を頂いているのだが、今年、非常に目立ったお稽古をなさっておられたのは、愛知の林範士でした。

若手の、八段をまったく寄せ付けない、切れの有るお稽古を披露されていた。熊は丁度、山口の、古田範士に並んでいるその目の前で拝見していたので、非常に勉強になりました。

恐らく今、丁度油が乗り切っている盛りなのだとお見受けした。熊とはかなり以前、アメリカに、全剣連派遣で指導に見えられた頃からのお付き合いなので、年齢的にも範士が一つ上。で仲良くさせていただいている。

ご子息もカナダに移住されていて、カナダにはよくお見えになられて居るのだが、まだカナダでは予定が噛み合わず、お会いしたことが無い。だから、来年は是非ともお稽古を頂こうと心に決めた。

もう一つ、大会会場周辺に道具屋さんが店を張る、その道具屋の店先で、京都、鹿志館の森田先生と話しをした。森田先生は子供の頃からつぶさに京都大会を見てこられたので、恐らく京都大会の生き字引と言っても過言で無い方です。

その先生が展示されている、道具をまじまじと見られて、話された。「最近の稽古は、突きが無くなった為に、胴の胸飾りが様相を変えてしまった。」

「昔は、三階松や雲形が、乳皮の下に施されていたのだが、それは突きの滑り止めの役割をしていた。だが最近は突く人が少なくなったために、胸の飾りが殆ど雲形や三階松が消えてしまい、つぶしの胸が多くなってしまった。これも剣道の移り変わり時代なんだろうね」と、ちょっと寂しそうに話されたのが心に残った。

文化としての剣道、元は戦闘技術の修練が始まり、時代が変わり、少し上品?に成りすぎて、女性愛好かも増えた。また先生に突くのは失礼等との不文律も、まことしやかに囁かれる時代と有っては、気迫のある剣道、激しい、荒稽古などはどんどん消えていってしまうのかもしれない。

激しい稽古をすれば、それは虐めだと言う人も出てくる。激しい稽古が強くなるための剣道に無くてはならぬ修行方法だと確信はしているのだが、時代がどんどん過ぎて、剣道から、激しい戦闘技術が無くなり、単に当てれば良い技術だけが取り残されたとしたら、それはもやは剣道と呼べなくなるのでは無かろうか。

熊もそれは寂しい気持ちにさせられてしまった。

やはり、カナダに戻ったら、人が何と言おうと、養心館では、激しい稽古は奨励し続けていこう、心にそう誓った。