Canada Youshinkan Kendo Dojo

「突然の理解」 

剣道を真剣に考えながら、稽古を続けていると、有る時、「フッ」とこれかな?
と感ずる事がある。昔、大阪府警の稽古の出て、足捌きの稽古に時間を割いていたことが思い出される。

そのやり方と言うのは、面を打った後、後ろに通る抜ける時に、歩幅の小さな送り足で、回転を早くして、スピードを殺さないやり方だった。

その利点は、
1 打突後の姿勢が崩れない。
2 歩幅が小さい分だけ、相手に対する対処が早く出きる。
3 連続打ちの気剣体の一致が作りやすい。何本でも打ち続けることがえきる。
4、身体のUP&DUNが無く、床と腰が水平に移動維持できる。
5 それとこの稽古をしていて、後で気づいた副産物。これが大きい。
(間を送り足や、継ぎ足で、詰めて打つ場合、左足の引付から、右足を出すまでの時間が素早くなり、相手に起こりを捕らえさせる事無く打てる)
つまり、遠い間から素早く間に入り楽に打てるように成った事だ。

この足捌きを、昔30代後半で滅茶苦茶に稽古をした事が有った。ある仲間の白人が疲労で病気になったくらい遣った。その時に、その稽古中、何だか分からないが、急に目の前が金色に輝きだして、身体が、グワ~~と宙に浮いて軽くなった様な気がした事がある。

こんな不思議な状況を体験した。それから、足捌きが非常に楽に成りだした。
其れまでは、如何かすると、相手に合わせて打つ場合、手と足がちぐはぐで、気剣体がばらばらに崩れたうちが出る事が多々あった。

特に相手に起こされたり、引き出されるような状況に成った時は尚更ひどかった。
その経験をした後からは、殆ど手と足がばらつく事が無くなった。
どんな稽古でもそうなのかも知れないが、ある程度の所を超えたら、無意識に動けるようになるのだとそのときから、おぼろげに分かってきた。

今は有り難い事に、殆ど一々考えては動かない、如何しよう、こうしようも、余り考えない。状況に応じ、身体と心が勝手に決めてくれる。

それ以後も、大なり小なりで、何度か、フッと感ずる事がある。稽古は考えながら、工夫を続けながら、身体を極限まで掛ける事の内につかむ事が非常な力に成る。
そんな体験、経験を積んでこれた剣道は、他の事にも活きて、自分の人生の大きな宝物となった。