Canada Youshinkan Kendo Dojo

「面打ち2話」 

自分の面打ちで1話は攻め切る事から捨て切る事について書いた。
完全に攻め切れたら完全に捨てきれるそれに繋がる要諦を書いたつもりだ。

第二に心がけている事は、腹で有る。腹つまり胆力、動じない心を作ることだが、此処で一番問題に成るのが、自分の反射神経で有る。どうかすると自分の反射神経が胆力増強の邪魔をする。

反射神経は相手の動作に敏感に反応してしまう。これが問題なのだ。反射神経は言わば相手の動きに同調してこちらの動きを作り出してしまう。だが剣道ではそれを乗り越えて初めて初めて見えてくる処が有る。

このような場合に遭遇したことは無いだろうか、相手がフェイントや、被き技で仕掛けてきた時、それに反応して手元を上げたり、崩れたりてしまい見事に打たれる。誰もが経験しているはずだ。

この手元が浮いたり構えが崩れたりすることが、反射神経で反応をしてしまうからに他ならない。だから、反射神経で反応するのではなく、それを超越するとこ ろに本当の胆力、冷静沈着な判断が出来る状態を作り出せるのだ。それが本当の胆力であり、平常心、不動新繋がり、正しい見切りができることになるのだと思 う。

ではどのようにすれば、反射神経の動揺を抑えることが出来るか、熊は呼吸法に秘密が有ると考えている。

以前何処かで、書いた気がするが、人間驚いた時は「息を呑む」といわれる。つまり、「ハッ」とした時は吸気の状態に成っていると言う事だ。だから、いろいろの書物の中でも、呼吸法、長呼吸。息を出来る限り長く吐き、鼻から息を自然に吸う事を勧めている。

もう一度言うが、ハッとした状態は、反射神経で相手に反応したのと同じ状態で有ることは明白である。だから手元が浮き、構えが崩れるということに他ならない。

だが、息を長く吐くということは、息を呑む状態に成り難いと言う事だ。だがそれも稽古中考えながら呼吸法を遣っているようでは間に合わない。常日頃からその癖を体に染み込ませて、習慣化させておく必要があると考えている。

その習慣が身に付いた時、相手から脅かされることが少なくなるはずだ。ということは自分のペースで稽古が出来るということになりはしないか、つまり腹の出来た稽古が出来るということになる。

だからいつも自分の呼吸を整え、複式呼吸で、長呼吸を意識して稽古をしている。
脅かされた状態から慌てて浮かされて面を打っても、ホームランには絶対にならない。
だから長呼吸で胆力の増強を図っている。