前回まで、5回に渡り、面打ちで心掛けている事を書いた、書けばまだ有るのだが、それは殆ど枝葉末節、大まかに見て5回で書いたような事を心して稽古をしている。
さて、最近の稽古、自分で言うのもなんだが、大変面白くなってきた。
何時でも面白いのだが、ことさらに面白さが倍増しているのだ。
それはある画像を見たことが切欠に成った。羽賀の親爺が、老齢になり稽古を見て頂けなくなって、数年が立つ。その間は手探りで、今まで習ってきた事の確認を取りながら、稽古をしてきた風がある。
人間、本当に弱いものであるが、そうなれば相手が自分なだけにツイツイ心のどこかに妥協や油断が生じてくる。初心貫徹とは言うが、難しいものだ。つい目的を見失う。
だが今回偶然見た画像は、熊の心に火をつけ、これからの学ぶべき道の灯明を明らかにしてくれた。この画像の教える所、熊が求める剣道の究極の姿といって良かった。
以前120秒心の戦いの中で、持田範士の立会いを見た、素晴らしいとは思ったが、自分に出切る範疇を超えていた、それ以前に、昔の古い戦前の画像を何度も見て研究もした。どうも其の時点では凄いと驚きもし、感動もしたが、遣れるとも、遣ろうとも思わなかった。
多分自分が求めている、理想像と、何かが僅かに違っていたのだと思う。
勿論、其の古い画像を見た時点と、今の熊の心境には、それなりの違いがある。
そこで再度古い画像も見て検討をした、答えはやはり同じであった。
そこで、学ぶ事は真似る事から入る。普段お稽古で、真似られる所を真似てみた。勿論、当然付け焼刃である。上手く行かなくて当然だ。だが、それらしき手ごたえは感じた。
何処までこの想いが続けられるかは、意志の弱い熊自身にも分からないが、当面の間、この面白さ倍増計画の中で磨ける自分を磨いてみたい。
剣道は本当に楽しい。こんなにも次から次やりたい事が出てくる。
永遠に食べきれないご馳走を前にしたようなもんだ。