Canada Youshinkan Kendo Dojo

真っ直ぐ打つ

剣道を修行する方なら必ず一度や二度言われたことがあるでしょう。「真っ直ぐ打ちなさい」と、ですが真っ直ぐ打つとは、自分に対して真っ直ぐなのか、相手に対して真っ直ぐなのか考えた事がありますか。

お互いが真っ直ぐと言う事は刀でのやり取りの場合、有り得ない事に成ります。何故なら、お互いの中心線は一つ。だからどちらかが幾らか外れると言う事に成るからです。

お互いが真っ直ぐと言う事は、お互いの相手に対する、二等辺三角形の頂点と、頂点が真正面衝突する状態で、これでは決着が付きません。

そこで、熊の場合は、円周から中心への攻撃と言う事を考えています。詰まり自分の中心を重視して、相手の幾分側面から打つと言う方法です。

但し、体は絶対に傾げません。確りとした真っ直ぐな崩れのない姿勢で打ち込みます。相手の方にして見れば、真っ直ぐ打っているはずなのに何となくすりかえられて横から打たれる感じになるそうです。

最近の剣道はスピード重視で、縦の剣道とよく言われますが、一昔前は体裁きといって、足捌きが非常に重要視されていました。特に、小柄な先生程、足捌きの良い方が多かったように思います。

私の師匠、羽賀忠利範士は其れは見事な足裁きで、まるでダンスでも踊るかのごとく床を滑っている感じで足捌きをされていました。打ち込んだら其処にはいない。笑

その範士の教えを請いながら、足捌きを盗み自分で開眼したのが、円周から中心への攻撃です。円周から中心に向けての攻撃は、何処の角度から攻撃をしても、自分の二等辺三角形は確実に維持することが出来ます。詰まり自分の中心線の維持での攻撃です。

円周は中心に向かい、何処を切り刻んでも、自分の両肩を一辺とし、竹刀を頂点とした二等辺三角形のシュートケーキの先端が中心になるはずです。

ヒントは、右足の使い方にあるのですが、簡単に記すと、自分の右足は相手の両足の間に向けて踏み込み、その時幾分右足を内側に角度をつけて踏み込みます。そのことにより、自分の左足は其れに伴い引き付けられて来ますから、幾分相手に対する角度が付く。

ごく僅かな角度ですが、それで完全に相手の打ちを外しながら自分の正面で相手を捉えることが出来ます。研究してみてください。