面打ちで心掛けていること、第3話。
意志です、絶対に良い面を打つと言う事を稽古毎、相手毎、心に言い聞かせています。
先ず、最初の黙想の時に、自己暗示と言うか、メンタルトレーニングというか、自分が最近出した、最高と思われる面打ちの感触を思い出して、脳裏に焼きつけ再生しておきます。
若し最近、そんな面が出ていない場合は、憧れの先生の面打ちでも良い。脳裏の画像に映し出しておくのです。そうする事により、人間は反復する事で身体に習慣性が付きますので、脳細胞が記憶の中から其の部分だけを体の隅々まで命令伝達を行いやすくなるわけです。
それと稽古前自分に、よし、小手を打たれようが、胴を抜かれようが、面返し面をもらおうが、構うものか、自分は自分の最高の面を打つのだ、と心に言い聞かせておく事により、集中力も高まります。
つまり面を打つと言う事に掛けているわけですから、他の所には心が行かなくなる。
打たれることへの恐怖感や、迷いが無くなれば、其の分集中できると言うわけです。
この意志を強く、確りと自分の心に言い聞かせて稽古に取り組むのと、そうでない場合の充実度が全然違ってきます。ただ漠然と叩き合いするのでなく、何のための剣道なのか、目的を確りと把握して、自己の意思を確立して取り組む事で進歩が早くなる。
ですから、自分は、稽古ごと、お相手毎に、良い面が出せる最高の環境を作る努力をしていく訳ですから、自己意思を強めて取り組む事で、素晴らしい面打ちにつながると考えています。