Canada Youshinkan Kendo Dojo

剣道は生き残る為に学ぶのだ

熊が20代後半の頃、堀口清範士と、田舎の観光のお手伝いをさせて頂いたことがある。その車中、範士が言われるには、「剣道は無理をしない事ですよ」と言われた、恐らく若い頃命がけのお稽古を詰まれて来た筈の範士のお言葉とは思えず、いぶかっていると・・・・

若い頃、物凄く強くて、人から鬼とまで言われた方が居たが、(多分、羽賀準一先生の事だと思う)無理が祟ったのでしょうね。早死にさててしまいました。惜しい事です。生きていらっしゃれば、剣道界にまだまだお役に立って頂けたで有ろうに・・・・・剣道の根底は戦いに勝つための修行です。

詰まり、生き残る為に剣道を学ぶのです。

其れなのに、自らの命を短めてまでの修行は、どこかが可笑しい。間違いがあるということです。其処までせずとも、理合いを確り考えながら無理無駄なく修行すれば、そこそこには成れます。

彼方もまだまだ若い、何処まで生き残れるか、それが現代剣道における修行の眼目の一つです。長生きして、何歳に成ってでも出来る剣道を目指して修行してください。

若い頃強かったでは、何の為に剣道を修行してきたかわかりませんよ。年老いてでも衰えない剣道、其れをやるには正しい剣道を学ぶ事です。

この言葉は今でも熊の心の底に深く根ざしています。その頃から40年近くが過ぎて、今になってしみじみ思っています。

息長く続けられる剣道、長生きは長息でもある。正しい呼吸法の元に、心の動揺を抑え、無理無駄なく剣を使う。日常でも、日々是好日と楽しみながら剣道即生活に結び付けて、物事の判断材料にして生きていれば、先ず間違いのある事はない。

羽賀の親父が92才まで生きて85歳まで面を付けて稽古をされた。実力では絶対に適わないであろうから、その記録を破る事ができれば、未熟ながらも、師を超えることが出きるか・・・・・

またそれが恩返しにもなるのだと、心に言い聞かせている。そして、是からが、本当の真剣勝負の時代に入ったのだと言う事に成るのだと思う。