Canada Youshinkan Kendo Dojo

如何に指導者が大事か

今回、16日間、日本訪問で、9日間稽古をさせていただいた。その中で、稽古頂いた方々に感謝の念を持ちながらあえて感じたことを書けば、お稽古に対する、取り組み方の意識が低いのではと感じさせられる方々が居た。

剣道は、確かに、見た目叩き合いだ。だからといって、相手を叩けば良いと言うのでは、いささか違うのではなかろうか、熊の地元富山県高岡での二日間の稽古で二日目の稽古で非常に不愉快な稽古をする御仁が二人居たので注意をした。

打たれた後に必ず後打ちをしてくるのである。詰まり自分が打たれたことを認めないばかりか、腹いせと思えるかのように後打ちをする。

その方の人間性の浅ましさが、諸に見えて、情けなくなった。剣道は、「打って反省、打たれて感謝」誰でも剣道人なら知っているはずの言葉。

其れすら知らないで剣道をしていて、七段も頂いているとしたら、返上ものではなかろうか。七段も持てば、人様に指導する立場のはずだが、そんな稽古振りを、後進に指導されたらたまったものではない。

その方々はどんな先生に指導を受けたのか知れないが、その先生方の顔に泥を塗る行為だということも忘れてはならない。

だが、最近そんな方々が増えている気がする。東京でも某有名道場でお稽古頂いたが、数人、感心した稽古振りではないな~、と感じた方々が居た。

竹刀で叩けば良いだけの剣道なら、虐待物だ。其処には、心の修行が有り、お互いを認め合うからこそ成り立つものではなかろうか。

顔を振り、体を傾げてまで、相手の竹刀を交わし、崩れた姿勢から無理やり打ってくる。哀れとしか言い様がない。何の為に剣道を学んでいるのか。

だが、其処の朝稽古で、素晴らしい御仁にも始めてお稽古頂いた。警視庁の若手選手、全日本も二度優勝しているかただ、お稽古頂きながら、この方は将来絶対に素晴らしい剣道家に育つであろうことが見て取れた。

真っ向勝負で、素晴らしく伸びのある、面打ちだけで挑んでこられた。時間の関係で、早く上がっていかれたが、熊の前の行列の背後から、熊の顔がのぞき見られるまで待ち、挨拶をして帰っていかれた。

恐らく熊の稽古は彼に少なからず、衝撃を与えたものと思う。だから、謙虚に、顔を見るまで待ち、挨拶していかれたのだと思う。

同じお稽古するのであればお互いが気持ちよく、晴れ晴れとした心でお稽古を終えたい物だと、つくづく感じた次第。