Canada Youshinkan Kendo Dojo

体の使い方。

最近、熊の周りで、アドバイスを聞いてくれている方々の中に、体を鍛える、足腰を鍛える、と言う話が良く出て来ることが有る。

熊自身も、昔は体は鍛えるものだ、足腰は鍛えるものだと勘違いしていた時期がある。確かに、運動能力、筋力はある程度鍛えなければならないが、それよりももっと重要視されなければ成らない事が、あることに気づいた。

それは体の使い方だ。つまり、間接、それに付随する筋肉をどのように働かせて、自由な動きを得ることができるかそれが剣道では、大事な要素になることだけは間違いない。

それが証拠に、年の召された範士の方々は若者のような、筋力が有るはずが無い。

だが、どうして、若者が筋力の盛りを利用して、打ち込んでいってもびくともしなければ、手玉にとって遊ぶかのごとく使われてしまう。

それはなぜか、体の使い方、に無理と無駄が無いからではなかろうか。

たとえば、若者が筋力を利用して、遠い間合いから思い切りの良い面を打ったとする。所が、範士に出鼻面でしてやられる。

こんな事は何処にでもあることで、剣道界では別に不思議でもなんでもない。それでは何故、範士はそのようなことがなし得るのであろうか。

相手が打ち込んでくる、当然其の機会には間合いが近くなる、其の間が一番いいときに範士は無理なく無駄なく打てるから其の機会を捉えることができると、考えられないだろうか。

昔、羽賀の親父が教えてくれたのだが、鍛えすぎた筋力は、筋肉が硬くなり、技上達の邪魔をする。と言っていたことを思い出す。

つまり、鍛え方が間違っていれば筋肉が硬くなり、自然な打突動作が出来なくなるという事なのだ。

だから体は使いようを、学ぶ必要が有るのだと言う事を、忘れてはならない。

足の動かし方にしろ、肩、腕、手首、指の使い方にしろ、筋力だけではない、動かし方一つで、効果が出るか出ないかが決まるのだと思う。