Canada Youshinkan Kendo Dojo

攻めを分かり易く理解する為に。1

剣道では、攻めだの、為だの、間合いだの、間だの、あまり実体の無い事柄が頻繁に出てきます。その実体のないものを稽古と言う方法で確実に物にして行かなければなりません。

さて、攻めについてですが、どうしたら攻めを手に入れることが出来るのでしょうか、勿論、攻めにも色々な段階が在り、これは稽古で百錬自得するしか方法が無いのですが、考え方の方向性が確りしているのと、目クラ滅法遣るにのとでは大きな隔たりが出てくるように思います。

そこで先ず一番初めに攻めで大事なのは。本人のヤル気です。
戦う意思です。戦う意思と書くと、誤解して打つことだと早計に考えては困ります。

何度も言いますが、打つのは一番最後でいいのです。名言があります。

「打つ前が剣道で、打ったら運動だ」

早打ちは無駄打ちです。機会でもなく、相手も崩れていないのに打つのは自殺行為です。

慌てて、早打ちするから、剣道が軽く見えたりするのです。
実際、刀で切りあう事に成ればそんなに簡単に打って出れますか?
若し其れができるとすれば、余程向こう見ずの豪胆さか、自殺行為の何者でもありません。

ですから、我々大人は少なからず「命のやり取りだ」位の考えが無いと本物の攻めなど掴むことが出来ません。でなければ真剣みが出てきません。

真剣みの無いところから、攻め等出てくるはずが無いからです。
ですから熊がここで言う、戦う意思とは真剣みのことです。

真剣み=絶対に戦い抜く心です。機会と観じたら、間髪を入れず、打ち込める状態の維持です。其処には、油断、集中力の欠ける状態など微塵もあってはなりません。

其れが身について初めて千変万化の状況に対処でき、攻めなる物の、第一段階が掴めて来ます。先ず其処から勉強してください。

先ず、1の段階の真剣み、何時でも打って出れる体制が出来たとします。
で、攻めがそれで完成したかと言えばまだまだなんです。

次は立ち上がりです。立ち上がりとは、相手と打ち合った後、そのまま次の戦闘態勢に入れなければいけません。戦闘態勢、つまり、相手がどのように仕掛けてきてもそれに対処できる準備のことです。

そこのところを1000/1秒でも早く相手より立ち上がりを早くする、つまり戦闘準備を整える。これが剣道で言うところの本当の残心なんです。

相手にして見れば、打てた~と思って一息入れようとしたら相手はもう攻めてきたという事になります。此れの繰り返しで優劣が出てきます。

つまり縁の切れない集中力、一つの終わりが次の初めに繋げることが大事です。

ここが第二段。

第三段は、戦闘態勢が相手よりはやく準備できたとします。

所が相手が、色々な駆け引きや、フェイントなどで応酬してきた場合、どうしても瞬間的に相手を見てしまい、「ハッツ」とした状態に成ることがあります。

つまり予期せぬ出来事に此方も驚く。其の状態が命取りに成ります。
そこで驚かない腹を作らなければいけません。

其の腹を作るのに一番良い方法は、開き直りです。「さー打つなら打て」
「お前の打ち、何ぼのもんじゃ」と言う位ふてぶてしく、開き直ることです。

「お‘!!何なら命の交換、しゅようやないけ」つまり度胸ですね。
開き直りで培う度胸、当然そこには打たれていいという腹のくくりが大事です。

さ~俺の命遣るから、お前さんはどうする?どうする?と間を詰めていくのです。ここが責め習得法の三段階になります。

まだこの上があります、其れは次回に。