Canada Youshinkan Kendo Dojo

「一生掛かるもの総集編」

シリーズで書いてきました。剣道修行で一生掛けて身に着ける物。いよいよ総集編です。
こうして見ますと、殆どは自分の体や、心との格闘と言う事に気付くはずです。
脱力、反射神経、運動神経、自分の煩悩や本能。全て自分との戦いである事が解ると思います。

熊も50年間剣道を学んでいますが、本物の剣道を目指そうと心してから、この大きな壁の克服が剣道修行だとやっと気付きました。26歳の時でした。

でも理屈では解ったつもりで居ても、現実には中々理解も出来ないし、暗中模索の毎日でした。そこで、恩師、榊原正先生にそのことを打ち明けて相談した所、先生は熊に読書を勧めてくれました。

その目的は、読書をすることで、先ず他人の考え方が解る、世の中は一つの考え方だけではない、人の考え方も色々あり其れを理解する事が全ての始まりだと諭されたのです。

先生は週刊誌でも、小説でも、何でも良いから先ず活字に慣れろ、それから剣道書を読めば良いと教えていただきました。

多分先生は、物事の理解をするためには幅広い視野を身に着けることが肝心だと諭されたのだと思いました。

そうこうしている内に今度は小川忠太郎先生にお会いして、物凄い剣道の世界を垣間見てしまいました。30歳の頃からだと思います、勿論当初、小川先生の仰る事は雲の上のお話で、理解とは程遠い物でした。

ですが、その頃の師匠の周りの先生方が小川忠太郎先生のお弟子さんであった事が非常に幸運だったと思います。

その小川イズムをつぶさに見聞きしながら自分の修行に活かして来れた。これが非常に大きいと考えています。若しこれが色々の先生方から180度違った形で教えを受けていたら、混乱した中での修行になり道に迷ったかもしれません。

ですが、小川イズムによる登山道は綺麗に整備された状態で熊の目の前にありました。
その道を迷わず登るだけで良い。これが非常にありがたかった。

何も心配せず、師を信頼して、体を掛けるだけで良い。如何したら出来る様に成るか工夫すれば良い。三磨の位、正しく学ぶ、習う、は何もしなくても其処にありました。
自分は其れを信じて、工夫と鍛錬だけ課せば良い。こんな楽は無い。感謝でした。

そこで今になり考えて見ますと、やはり一番大きいのは、如何に自分の師匠を見つけることが出きるか、其れに尽きるのではないでしょうか。
良い師匠に出会う。これが剣道修行で一番大事。これで全てが決まるといっても過言ではないと思います。

熊はお陰さまで、本当に良い師匠に出会えました。その先生方に感謝の意を込めて、
生涯、一生をかけて、剣道を学び続けて行こうと心に決めております。